『シンデレラ』ものがたり食堂Vol’23

冬がだんだん近づいてきて、寒いのが苦手な私はお布団からすでに出れません。冬はお布団の中で暮らしたい。冬眠したい。そのくらい寒いの苦手なのです。

でも考えて見たら好きな服は全部冬服で、ニットも好きで、ウールも好きで、ブーツも好き。寒くないと楽しめないアイテムだらけでした。温泉もいいよね。 なんてお話をしていた今日この頃。皆様お元気ですか??

先日、北参道駅ほど近い、ジュエリー&ライフスタイル雑貨のセレクトストア 【chisa(チサ)】さんにてものがたり食堂を開催致しました。

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ものがたり食堂初の3日間の開催。そして何よりも器の素晴らしさなんです。ベネチアンガラスに魅了されCAから転身して日本でも数少ないムラーノガラスのデザイナーでもある小瀧千佐子さんにお誘い頂き、ベネチアンガラスの魅力を身近に感じてもらえるようにとものがたり食堂とのコラボが実現しました。

ガラスのものがたりとしていろいろ相談した結果『シンデレラ』になりました。

みなさんシンデレラはご存知ですよね??

こんなあらすじです。(以下Wikipediaより)

  1. シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられていた。
  2. あるとき、で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。
  3. 舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白など)が助け、準備を整えるが、魔法は午前零時に解けるので帰ってくるようにと警告される[注釈 1]
  4. シンデレラは、城で王子に見初められる。
  5. 零時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段を落としてしまう。
  6. 王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。
  7. 姉2人も含め、シンデレラの落とした靴は、シンデレラ以外の誰にも合わなかった。
  8. シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。

こんな感じです。

一番有名なのはディズニーの作品なのですが、いろいろとシンデレラのお話を探って行くともう大変!!ヨーロッパでは500以上、世界各地にはそれ以上にお話があり、民話として世界中で愛されていることを知りました。

今回そんなシンデレラの年代をどんどん昔へと遡って作品の特徴をご紹介、そしてお料理を提供していきました。いや、ほんとシンデレラ大変だったよねw

 

2017.10.13~15
『シンデレラ』

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『白い鳥からの贈り物』〜グリム童話

ディズニーの次に有名ではないでしょうか??グリム童話です。今までのものがたり食堂でも取り上げた作品、赤ずきんちゃん、白雪姫などがあります。(1812年)

グリム童話のシンデレラの特徴
1、魔女が登場しない&魔法がない。
2、魔女の代わりに白い鳥たちがドレスや靴などを用意してくれる。
3、舞踏会は2夜連続して行われた。
4、ガラスの靴ではなく、金と銀の靴が登場する。
5、靴を落としたのではなく、王子様が階段に粘着質のものを付けシンデレラを転ばせた。

シンデレラ最大の魅力、ガラスの靴が登場しません!!
魔女がいなければ舞踏会2日間とか疲れちゃうし、王子様ちょっと意地悪ね。そんなシンデレラから生まれた1品目がこちら。

金と銀をイメージして、季節のフルーツを使って彩りを。

金をイメージしたのが左側
クッキー生地を砕いたもの、フォアグラのムース、ゴールデンキウイ、柿、菊の花びら。

銀をイメージしたのが右側
鴨のロースト、梨のコンポート金木犀の香り、フレッシュな梨、タイム、ナスタチュームの葉。

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『魔法の隠し味』〜シャルル・ペロー

シャルル・ペローはフランスの詩人。(1628-1703)
グリム童話より先に赤ずきんちゃんなど、民話を親しみ易いように広めて行った人物です。シンデレラ以外にも有名なのは『長靴を履いた猫』『眠れる森の美女』などの作品があります。

原題は『サンドリオン または小さなガラスの靴』
シンデレラにガラスの靴を履かせ、かぼちゃを馬車に変える魔法加えたのがシャルル・ペローの作品です。

隠し味はというと、その名もシンデレラというノンアルコールカクテルがあります。カクテルをベースに魚介のタルタルをお作りしました。

ズワイガニ、真鯛、レモンの皮、グレープフルーツ、トマト、シャインマスカット、ラディッシュをタルタルに。 レモンジュース、オレンジジュース、パインジュースで作ったドレッシングでマリネしました。

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『灰かぶり』〜ジャンバティスタ・バジーレ

ジャンバティスタ・バジーレ イタリアの詩人・軍人。(1575-1632)

ナポリ生まれのバジーレ。イタリア語の全国的な統一が進み、ナポリ語の衰退に危機を感じた事から彼はナポリ地方に古くから伝わる民話を収集する事を思いたちその中の一つにチェネレントラ(Cenerentola・灰かぶり猫)として伝わって行きました。

バジーレのシンデレの最大の特徴。それはシンデレラは殺人犯。

1、シンデレラは継母が気に入らず、当時縫い物の先生だった女性と一緒に継母を殺害します。方法は、衣装箱に首を挟ませて。
2、縫い物の先生と父を再婚させるものの、先生に6人の実娘ができるとシンデレラに冷たくなります。
3、魔女が登場しない代わりに魔法のナツメの木が魔法をかける。
4、ガラスの靴ではなく、17世紀のイタリアにあったと言われるピネッレという木の靴だった。

考えてみると、シンデレラのお父さん3回結婚してるんです。さすがイタリア人!!って思いました。

3品目。
ガラスの器ではなく、木の器を使いました。

ちょこっと枝が出てますがこの先にはマカロンを仕込みました。

マカロンにイタリア食材のゴルゴンゾーラを挟みカカオニブでコーティング。ほうじ茶とローレルの葉の中に埋もれさせて香りを纏いました。季節のフルーツイチジクと一緒に食べるとなお美味しいですよね(^-^)

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ビビディバビディブー〜落窪物語

我が日本にもシンデレラストーリーがありました。
作者不明、年代は遡ること10世紀。
落窪とは、主人公の姫が置かれていた部屋の名前に由来します。
美しい容姿を持つ主人公の姫が畳の落ち窪んだ陋屋に住まわされ、継母からいじめに合うというストーリー。源氏物語に先立つ中古の物語ともされているそうです。

4品目。
和の要素を加えた一品。
ビビディバビディブーはかぼちゃの馬車に変える魔法の言葉。
残念ながら馬車にはできませんでしたが、スープに変えて見ました(^-^)

大麦、レーズン、ローズマリー、バター、ひよこ豆、かぼちゃの種、栗の渋皮煮、くるみ、カリフラワーのムース。そして最後にかぼちゃのスープを注いで行きました。日本でもおなじみのこのホクホクとしたかぼちゃですが、実はヨーロッパだと水分が多く甘みが少ないのです。ポタージュにしても少しさっぱりしていてあれはあれで美味しいのですが日本の南瓜は本当に美味しいと感じました。最近では日本の栗カボチャの種類、hokkaido(北海道)として出回っていますが、やっぱり日本のかぼちゃほどではなかったのです。なので日本の味覚の一つとして提供しました。

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秘密の花園〜中国

メニューのネーミングは王子様とシンデレラが出会い、舞踏会で踊ったあと王子様のお気に入りの場所『秘密の花園』へ行くシーンから。

そしてお料理の味付けは少し中華の要素を取り入れました。

今度は中国のお話。『掃灰娘』という楊貴妃はモデルとなったというお話や『葉限』という民話が9世紀に残っています。お話には魔法や魔法使いは登場しません。そして特徴はというと主人公の葉限(しょうげん)が大切に飼っていた魚を継母が食べて捨ててしまいます。その魚を綺麗に洗い大切にすれば願い事が叶うというお告げがあり、、、、、、シンデレラストーリーに繋がるのです。

魚という部分がとても面白いですよね。

5品目。
見た目はお花を盛り付けたサラダですが、中には生姜と魚介の出汁でマリネしたローストポーク。ソースは八角とクコの実を入れて作ったりんごのソース。ケール、トレビスを加え苦味のあるサラダに仕上げました。サラダにかけたドレッシングは熟成期間の長〜いホワイトバルサミコ酢だけをおかけしました。砂糖も加えてないのにはちみつのような味わいです。

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ガラスの欠片

最後のデザートではまだ24時ではありませんでしたが、綿あめを溶かして魔法を解くことにしました(^-^)

上から綿あめ、いちご、りんごのゼリー、クランベリーゼリー、ざくろ、グレナデンシロップ。ソーダを注ぎ綿あめを溶かしました。ソーダを足してお好みの味にして召し上がってもらいました。

このchisaさんがデザインしたグラスを見た瞬間に赤い物を使いたいなーと考えました。ヴェネチアンガラスの象徴とも言えるこの赤をデザートで表現しました。

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最後にchisaさんとスタッフのみなさんで記念撮影。

素敵な空間でイタリアの伝統工芸を使ってのお料理提供は本当に緊張して、何度もくじけそうでした。当日もいつものネガティブさ全開ではあったもののchisaさんのスタッフの神対応に励まされ3日間乗り切ることができました。もちろんアシスタントのコマさんやカメラマンの石倉さんにも感謝なのです。

写真じゃ伝わらないくらいですが、ヴェネチアンガラスって本当に美しい。手にとって試して欲しいのです。

色や形もですがやはりこの美しさはデザイナーのchisaさんの情熱とこだわりの結晶だなと感じました。
北参道近くにいらした際は是非遊びに行って見てください(^-^)

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