富士山の名前の由来とはじめての和食風のコース ものがたり食堂Vol’17『かぐや姫』

和食のコースとは書いたものの、会席ほどしっかりとしていわけではありませんが、『和食』の難しさを思い知りました。和食の技法とかがあると思うのですが、完全に我流。和の食材を取りいれた創作料理と申しましょう。
『かぐや姫』がテーマではあるのですが、十五夜にまつわるお話を交えながらメニューを考えていきました。
お通し『きらきらひかる』
おじいさんが光る竹からかぐや姫を見つけるシーン。
光輝く竹をイメージしたました。
穴子、海老、野菜の3種類の出汁でジュレを作り中には、穴子、パプリカ、オクラ、海老を。
そして、ソースはマスカルポーネチーズと山葵を合わせたものにしました。
もともと、こういう煮こごりやゼラチンを使ったお料理は食べるのが苦手でした。デザートで味わうのは良いのに。でも、上野にある亀屋一睡亭という和食屋さんで頂いたジュレがあまりにも美味しくて作って見たくなったのです。
前菜『秋の五つの味覚』
どうしても結婚したくないかぐや姫。
そんなかぐや姫は『この世に存在しない宝物』5種類を求婚にきた男性5人にそれぞれ、探してくるように命じました。
大納言大伴御行に「龍の頸の玉」
石作皇子に「仏の御石の鉢」
庫持皇子に「蓬莱の玉の枝」
右大臣阿倍御主人に「火鼠の皮衣」
中納言石上麻呂に「燕の子安貝」
はて??
なんの事やら!!wなんだかわからない前に、読めない!!
気になる方はこちら『かぐや姫の宝物ってなんなの??』
5種類の宝ものではありませんが、この季節に美味しくいただける味覚を5種類の前菜としました。
ミョウガ、レンコンのピクルスは砂糖をできるだけ少なめにして、干しあんずを一緒に漬け込んで甘みを引き出しました。
黒い物体は、ゴマの生麩。シンプルにお塩だけでオーブンで焼いたものを。
オレンジ色のものはカボチャ巾着です。中には鶏団子を忍ばせて、一緒に食べると『カボチャの鶏そぼろ煮』の味です。
茄子田楽。
そして、里芋の白味噌煮です。ゆずの皮を一緒に入れた繊細な香りと粘っとした食感でなんどもつまみ食いしましたw
温前菜『芋名月のスープ』
中秋の名月を別名『芋名月』と言います。
まだ電気がなかった時代、夜まで農作業をしていた人たちは、月明かりに大変助けられました。秋はお米など農作物の収穫時期で、十五夜に収穫の感謝を捧げるようになったのが今のお月見につながっているようです。
この時期は里芋やサツマイモの収穫時期でススキを飾り、一緒にそれらをお供えします。
ちなみにススキは、稲穂が実る前のこの時期に稲穂に見立てて飾るそうです。
とてもシンプルなサツマイモのポタージュではありますが、隠し味にりんごを入れました。玉ねぎなどは一緒に入れることは多いのではないでしょうか??りんごとサツマイモのお菓子からヒントを得てこのスープが完成しました。 白味噌風味の和の味です(^-^)
メイン『お月見リゾット』
真っ黒な空に浮かぶのは満月。真っ黒な真っ黒なご飯の中にうずらの卵を落とした一品です。
味はというと、カルボナーラです。
たーっぷりのパルミジャーノを入れた贅沢なリゾットに仕上がりました。
甘味『あんぶろしあ』
一見クリームあんみつに見えますが、真ん中のアイスみたいなものがアメリカマシュマロサラダの『アンブロシア』をアレンジしたものです。
『アンブロシア』とはギリシャ神話に登場する神々の食べ物で『不死』を意味します。
かぐや姫が月に帰る際に帝へプレゼントした『不死の薬』
帝は『会うことも無い、こぼれ落ちる涙に浮かんでいるようなわが身にとって、不死の薬が何になろう』
といい、この国で一番天に近い山で焼くように命じました。
その山はあまりにも高いことから普通の人間では登れないほどの山。
「士(つわもの)らを大勢連れて、不死薬を焼きに山へ登った」ことから
その山を「ふじの山」と名付けたそうです。
このデザートはものがたり食堂のあんみつですね🎶
アンブロシアはマシュマロ、ヨーグルト、白あんを合わせたもの。
3種の寒天はココナッツ、ほうじ茶、抹茶。
そして、缶詰のフルーツと黒蜜の代わりにキャラメルソースをかけました。
食べた皆さんは『アンブロシア』を一体何なのか!!と不思議に思ったそうです🎶
マシュマロと白あんの相性がとても良くてまた作ってみたいと思いました(^-^)
そしてお土産は、和菓子をご用意しました。
翁が輝く竹を見つけたときはをイメージした一品です。
道明寺の上に抹茶の練りきりを、そして栗の甘露煮を添えました。
最後はみんなでパシャり🎶
記念撮影って今までそんなにとってこなかったけど、いいものですね(^-^)
あとがき
かぐや姫に向き合うと同時に、日本の四季を考える時間にもなりました。
スーパーで一年中出回っているサツマイモ、里芋、ミョウガ、レンコン、カボチャの季節を改めて知り、そして食材と向き合ってどんな料理にしていくかを決めました。
私の師匠清水シェフはいつも話してました。
『野菜と仲良くできると料理が上達するよ』と
最近はその意味がやっとわかった気がしました。
野菜のパワーというか、野菜たち話しかけてくる感じ。
手にしたときに『煮っころがしにして!!』『焼いて!!』『そのまま食べて!!』なんて言ってる気がするのです。
ちょっとおかしなお話ですが、本当なんですよ(^-^)
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投稿者プロフィール

- フードディレクター
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2年間イタリアへ修行、帰国後、イタリア料理という枠から飛び出し様々な料理を楽しんでもらえるようお店を持たず、ケータリングという形で料理を提供している。
ケータリングや『ものがたり食堂』を中心に活動。『持たない暮らしの簡単つくりおきレシピ』監修
『新刊わかったさんシリーズ』レシピ監修。
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