命をつなぐとか。生かされてるとか。

こんにちは
いつも着物きて行く八百屋さんのオッチャンに私服だと気がついてもらえず話しかけても素っ気なくされためぐみです。もう毎日着物にしてこーかなー。着慣れてきて最近は結構早く着れるのだ。
さて、
私は初対面の方に職業を伝えると驚かれる。
ぱっと見、料理なんて出来なさそうと。前にもブログで書いたけど。最近はそんなのにも慣れてきた。
「嘘じゃないから食べに来てください」と
ではなぜ料理の仕事なのか?
家族全員が料理人の環境で育って。
反発心もあり、美容師を目指したりしてました。
残念ながらセンスもなく、専門学校すら中退。
ほんと両親には申し訳無いことをしたと思ってる。
血筋なんかはわからないし、趣味で始めたことからどんどんハマって行って。今に至る。簡単に話すとです。一度家を出るまでお米すら研いだこともなく、味噌汁も作ったこともなく。お菓子だってテキトーに作ってなんで膨らまないのか??なんて今考えたら本当に無知だった頃もあるのです私。
家に食べ物が溢れていて、ご飯食べれることが当たり前で。作ってるのが両親なのはわかっていたけど、その過程を一切見たことがなかった。
今でも両親は口を揃えていう
「無理して料理をすることはない。今ではなんでもある。人が作らなくっても機械が作ってしまうんだ。」
彼らは大変な思いを私にはさせてくなかったのかな??
一日中立って。
寒くても冷たい水を使い。
思い鍋を運び。
使い方一つで流血騒動の包丁が相棒で。
これはあの華やかそうに見えるパティシエの世界だって同じ、むしろもっとキツイかも??と思ってる。
どうして続けて行きたいか。
それには3つの理由がある。
1、私が食いしん坊
いつの間にか食いしん坊!!昔は太ることが怖くて食べることは罪だ!と思っていた。太ることは自分への甘えで、決して太ってはいけない。痩せていることが美しいと。
バカバカしいって思う。今は。でもその時はその時。いろいろあって今では食いしん坊です。
2、疲れが吹っ飛ぶくらいの対価
朝早くて、夜も遅くて、毎日毎日作っては消えていくものをまた作って。きりがない!!!本当に!!!!「私なにしてんだろう??」って思うこともたくさんあって
でもお客様の
「美味しかった!!またくるね!!」
とか
「なにこれー!!!!ちょーかわいい!!!」
ってケーキをバシバシ写真撮ってるかわい子ちゃん達を見ていると疲れなんて吹っ飛んでしまう。報われるのだ。
たった一瞬なんだけど、そのあまり知らない誰かさんの笑顔を見れた時。
大袈裟に言わせて頂くと、私が笑顔を作った!!
そう思える一瞬があるから私は続けていけるんです。
3、命をつないでいる。
私たち人間は、命の犠牲の上で生かされてるのです。
魚だって、お肉だって、野菜だって人間と一緒で呼吸して太陽とか水とか空気とか必要な生きモノなのです。
私たちは生きて行く為に、彼らの命を頂いている。
忘れてたでしょ??
私もたまに忘れかける。悔しいけども。
そんな生きていく人間のためには誰かがその命を奪っているのも忘れずに。命を奪うなんて聞くと「可哀想!!」なんて声も聞きますが、そんなことも受け入れずに食べる資格なんてない!!!
私にとってキッチンという場所はどこよりも神聖な場所なのだ。
生と死をつなぐ。
だからネガティブな気持ちの時は食物には絶対触らない。そんな気持ちで作る料理は美味しくならないし、美味しくできないということは犠牲になった彼らにも失礼だからだ。
いろいろあって気分が乗らず料理ができないことが最近あった。
「シャキッとしろ!!」「切り替えて好きな料理しろ!!」
仰るとおりではあったものの、無理である。
負の感情のスパイスなんて使ったらどういう結果になるか分かりきっているし、そんなもの私が作りたくないのである。
経験あると思います。
イライラして食べるのって美味しくない。
イライラして作っても一緒。それが体の栄養になると思うと恐ろしい。
でも、そろそろ充電完了です。落ち着いてまたキッチンに立てます。
余談ですが
こんな感じの考えですから、一緒に食事をする人に暴言を吐いたりしたこともあります。
「切り身になっている魚は食べれるけど、顔が付いてるのは気持ち悪くて食べたくない」
という友達に私は笑顔で言いました。
「魚の顔かわいいじゃん。よっぽど貴方の顔の方が気持ち悪いし、その顔見ながら食事をする私の身にもなってください。」
今でも会うたびに「めぐみに酷いこと言われた」って言ってます。それ以来その友人とは御造りが出てきそうなお店に行かなくなりました。
ちなみにその子は結構なイケメンです。
顔のことなんて褒められたことしかないだろうに。
私も大人気なかったと反省しました。
本日のBGM
By First And Fury-Tommy Guerrero
tommyの作品の中でもダントツの再生回数。
投稿者プロフィール

- フードディレクター
-
2年間イタリアへ修行、帰国後、イタリア料理という枠から飛び出し様々な料理を楽しんでもらえるようお店を持たず、ケータリングという形で料理を提供している。
ケータリングや『ものがたり食堂』を中心に活動。『持たない暮らしの簡単つくりおきレシピ』監修
『新刊わかったさんシリーズ』レシピ監修。
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